(台北中央社)数位発展部(デジタル発展省)は25日、台湾本島と台湾海峡の離島・澎湖を結ぶ海底ケーブル「台澎3号」が断線したと発表した。台湾通信大手の中華電信から通報があったとしている。海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)によると、ケーブルが断線した海域で活動し、中国人が乗っていたトーゴ船籍の貨物船「宏泰」を南部・台南市の安平港に入港させた上で、台湾台南地方検察署(地検)に捜査を依頼したという。
海巡署は宏泰について、22日午後7時10分から台南市将軍漁港の北西約6カイリ(約11キロ)地点に停留していたと説明。全行動を監視し、安平港から7回アナウンスを送ったが、反応はなかったとしている。
25日午前2時30分、宏泰がいかりを下ろしているのを海巡署の巡視艇が発見。同3時24分に海底ケーブルが外部からの力で破壊されたとみられると中華電信が海巡署に通報したことから、宏泰を安平港に入港させたとした。
宏泰の乗組員は8人全員が中国籍だった。海巡署は、武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加えるグレーゾーン作戦の可能性を排除しないとし、検察の捜査に協力し、真相解明に全力を尽くすとしている。
台湾近海では海底ケーブルの故障が相次いでおり、台湾本島と中国・福建省に近い離島の馬祖をつなぐ「台馬2号」と「台馬3号」でも修理が行われている。数位発展部は中華電信に対し、これら2本の修理完了後に台澎3号の修理を行うよう調整を依頼したとしている。