(台北中央社)各国の企業が加盟する詐欺対策連盟「グローバル・アンチスキャム・アライアンス」(GASA)や詐欺対策アプリのWhoscallを手掛ける台湾のゴーゴールック(走著瞧)などが30日に公表した2024年版のアジア詐欺レポートによると、台湾在住の調査回答者のうち半数以上が毎週何らかの詐欺に遭遇していることが分かった。また被害に遭った人の約3割が、詐欺に接触してから1時間以内に送金などを行っている実態も浮き彫りになった。
調査はアジアの13地区を対象に行われ、台湾では5003人が調査に回答した。報告によれば、台湾で最も多い詐欺の種類は個人情報の盗用や不正利用で、回答者の24%が過去1年以内に遭遇したことがあると答えた。次いで、インターネット上で購入した商品が届かなかったり、異なる商品が届いたりするネットショッピング詐欺(15%)や、企業の名をかたった詐欺(13%)が多かった。
実際に被害に遭った人のうち、詐欺に接触してから送金や個人情報の送信を行うまでの時間が1時間以内だった人の割合は27%に達した。レポートは、詐欺犯罪者がパニックや欲といった心理を利用し、被害者に反応や防備の隙を与えていないと指摘した。
ゴーゴールックでAI(人工知能)・データ部門を統括する高義銘氏は、詐欺の手口の変化に合わせ、詐欺への対策も更新し続けなければならないと指摘。デジタルリテラシーの教育やインターネット上のプラットフォームの監視、業界を超えた協力を強化させる必要性があると訴えた。