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台湾南部の日本語図書館「池上文庫」で地域交流イベント 館の存続願い開催

2024/08/06 14:11
「第1回池上文庫ブックシェア文化祭」でうちわ描きを体験する市民
「第1回池上文庫ブックシェア文化祭」でうちわ描きを体験する市民

(屏東中央社)南部・屏東県の日本語書籍を収蔵する図書館「池上一郎博士文庫」で3、4両日、地域交流イベント「第1回池上文庫ブックシェア文化祭」(晒書文化節)が開かれた。同館のボランティアスタッフは、同館が周辺の再開発計画によって「存亡の機に立たされている」とし、地域コミュニティーのアイデンティティーを形成し、近隣住民を引き込むためにイベントを企画したと語った。

同館は台湾鉄路(台鉄)竹田駅前にあり、駅の旧貨物倉庫を活用。日本統治時代末期にこの地域で野戦病院の院長を務めた池上一郎さんが晩年に竹田郷に寄贈した書籍を収蔵する図書館として、2001年に開館した。現在は台日交流の役割も担っており、観光スポットとしても知られている。

イベントでは希少な蔵書の紹介や和服体験、地域のしょうゆメーカーと協力した日本風団子の手作り体験などが行われた。

中央社の取材に匿名で応じたボランティアスタッフは、再開発計画を担当する屏東県政府客家事務処が同館に対し以前、一部の書籍と同館の外観を残して内部は書店として整備する案を提示したと説明。商業的な経営方式は、同館を運営する「池上一郎博士文庫研究学会」の大部分の理事が望むところではないと話した。その上で、もし地域が日本文化に興味を抱かなくなったら図書館の存続に共感しなくなってしまうため、新たな取り組みを打ち出したと述べた。

一方、県政府客家事務処の李明宗処長もイベントの1日目、会場に姿を見せた。同館の建物が傷んでいるため修繕を行い、その期間中は同館を移転させ、修繕が終わってから計画を再度練ることを過去に図書館幹部と話し合ったとした上で「図書館を永遠に追い出すわけではない」と同学会のメンバーらに対して主張。図書館が台日の交流にとって非常に重要であり、今後も同学会との話し合いを続けて最善の方策を模索していくとの方針を示した。

(黄郁菁/編集:田中宏樹)

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