(台東中央社)台湾原住民(先住民)の主食として知られるアワの栽培復活や保存に取り組む慈心有機農業発展基金会は19日、東部・台東県で活動をPRする記者会見を開いた。会場には50種類のアワが展示され、「こんなに種類が多いとは」と驚く来場者の姿が見られた。
同基金会によると、台湾には多い時で200種類余りのアワが栽培されていたものの、栽培のノウハウを知る人の高齢化や食生活の変化で技術が途絶えたり、栽培面積が減少したりして、多様性や文化、民族の味が失われつつあるという。
同基金会では長年にわたって東部の花蓮や台東にある30カ所の集落を訪ね、栽培復活や保存に尽力。この日は取り組みに協力する個人や企業への表彰も行われた。
普段から母親のためにアワを購入しているというパイワン族の男性は、買ったり集落で栽培されているのを見たりしているが、種類ごとの違いには気づかなかったと語った。
同基金会はフェイスブックで、栽培されたアワの一部は台東県の小中学校や幼稚園で給食の食材として提供されているとアピール。記者会見には100人以上が集まったとした。