(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は就任から1年を迎えた20日、台北市の総統府で談話を発表した。台湾はかつて世界最長の戒厳令が敷かれた国であり、現在はアジアの民主主義の灯台だとし、「民主的で自由な生活を手放す台湾人は一人もいない。民主主義と自由の価値観に背くことができる総統も一人もいない」と述べた。
談話は「民主主義の台湾」「強靭(きょうじん)な精神」「団結の訴え」の三つを軸に行われた。
米国との関税交渉について、政府は国家の利益の確保、産業の発展維持、いかなる業種も犠牲にしないことの三つを大原則として最良の交渉結果を勝ち取っていくと強調。「台湾に立脚し、世界に展開し、米国との関係を強化する」との経済路線を推進していく他、貿易戦略では米国以外の民主的で自由な市場との結びつきを増加させ、世界に売り込んでいく方針を示した。
また、野党党首に対して重要な国家安全保障情勢報告を今後行うと表明。与野党のリーダーが政治的立場を問わず、国家の利益を優先として率直な意見交換や国是協議を行い、手を取り合って国家のさまざまな挑戦に立ち向かうことを望むと述べた。
頼総統は、粘り強さと根性によって向かい風を受けて転換を図り、しっかりと前に進んでいくことこそが台湾人の精神だとし、確かな歩みで挑戦を受けて立ち、台湾を世界の光や世界平和の舵手、さらには世界繁栄の立役者にしていくと意気込んだ。