(台北中央社)4月に開幕する大阪・関西万博の台湾パビリオンを巡り、日本の外務省が台湾に対し、民間会社による出展であることを明確に示すよう申し入れたと日本メディアで報じられたのを受け、郭智輝(かくちき)経済部長(経済相)は20日の立法院(国会)経済委員会で「関連の通知は受け取っていない」と明らかにした。
野党・国民党の楊瓊瓔立法委員(国会議員)への答弁。
台湾パビリオンを巡り、共同通信は16日、日台の関係者の話として、台湾パビリオンが民間会社による出展であることを明確に示すよう、日本外務省が台湾側に申し入れたと報じた。報道によれば、経済部(経済省)が6日に発表した報道資料で「台湾は『TECH WORLD(テックワールド)館』の名義で出展する」と説明したことを日本側が問題視したという。
楊氏は郭氏に、日本側から申し入れがあったのか質問。郭氏は「私は関連の通知は受け取っていない」と述べた。その上で、台湾は博覧会国際事務局(BIE)の加盟国ではないため、民間企業の名義で万博に参加すると説明。日本側は台日の友情に基づいて台湾を招いたとし、「これは日本側の非常に大きな誠意だ」と強調した。
また、台湾に悪意のある国家が仲を引き裂き、隙を突こうとしているとし、身内を傷つけて敵を喜ばせる状況に陥らないよう呼びかけた。さらに「他人の家(日本)に招かれる時には、ホストの規定に従わなければならない」と述べ、各界の努力によって来場者に台湾の優れた面を伝えられるよう期待を寄せた。
国際博覧会条約に基づき、万博に公式参加するためには外交上のルートを通じて招請国の政府から参加の招請を受ける必要がある。台湾はBIEに加盟しておらず、「台湾」名義での参加はできない。そのため民間企業「玉山デジタルテック」として、台湾の魅力を伝えるパビリオン「TECH WORLD館」を出展する。玉山デジタルテックは経済部(経済省)の外郭団体、台湾貿易センター(中華民国対外貿易発展協会、TAITRA)が2021年に100%出資で設立した。政府は大阪・関西万博に20億台湾元(約90億円)の予算を計上している。
「TECH WORLD館」は「ライフ」「ネイチャー」「フューチャー」をそれぞれテーマにした三つのエリアを設け、台湾のテクノロジーの実力を世界にアピールする。