(台北、新北中央社)北部・新北市の美容クリニック「愛爾麗診所板橋店」で今月、隠しカメラによる盗撮の疑いが浮上したのをきっかけに、事態を問題視した警察や検察による捜査が系列のクリニックや他のクリニックなどにも拡大している。石崇良(せきすうりょう)衛生福利部長(保健相)は「許すことのできない行為」だとし、営業停止処分も辞さない構えを見せている。
一連の問題は同クリニックの診療室で着替えていた女性患者が、天井に監視カメラのようなものが隠されている装置を発見したことに始まる。クリニックの担当者が煙探知機だと主張したため、この女性が1日、警察に通報した。
警察や検察が3日に捜査したところ、実際にカメラが見つかったものの、撮影した映像を保存するレコーダーは発見されなかった。だがその後、カメラの保守担当者が指示を受けて同クリニックのレコーダーを撤去し、内容を初期化したとみられることが明らかになった。この担当者は系列のクリニック10カ所でもカメラやレコーダーを取り外し、証拠隠滅に関与した疑いが持たれている。
警察や検察は7日、クリニックを運営する愛爾麗グループの常如山総裁やカメラの保守担当者らを、性的姿態等撮影罪に相当する「無故撮録性影像罪」などの容疑で拘束した。
同グループは5日までに発表した声明で、監視設備は医療品質の確保や薬品と機材の安全維持のために設置したもので、消費者のプライバシーを侵害する意図はないと主張している。
▽別のクリニックでも隠しカメラ設置の疑い 捜査広がる
また、8日には美容クリニック「光沢診所板橋中山店」(新北市)でも隠しカメラ設置の疑いがあると通報があり、同市内の系列クリニック5カ所で行われた捜査の結果、3カ所でカメラが取り外された痕跡が見つかった。
各県市や地方検察署(地検)などの発表によると、12日までに、台北市や北部・桃園市、南部・台南市、高雄市などの美容クリニックや漢方クリニック、スポーツジム、サウナ施設でも捜査が行われたことが分かっている。
▽ 衛生福利部、患者の同意ない撮影は「違法」
衛生福利部(保健省)医事司(局)の劉玉菁副司長は9日、中央社の取材に対し、診察室のような高度なプライバシーが求められる空間で患者の同意を得ずに撮影するのは違法だと説明。映像が医療目的以外に流出した場合は医療法第72条、盗撮行為が確認された場合は、医療法第108条に違反する可能性があると指摘した。
同法第108条では、規定に違反した場合、5万台湾元(約25万円)以上50万元(約250万円)以下の過料に加え、状況に応じて1カ月以上1年以下の営業停止、開業許可の取り消し処分を科すことができるとしている。