(台北中央社)4月に始まる大阪・関西万博に、台湾は「TECH WORLD(テックワールド)パビリオン」を出展する。経済部(経済省)の外郭団体、台湾貿易センター(中華民国対外貿易発展協会、TAITRA)が6日、台北市内で記者会見を開き、外観デザインなどを発表した。生命、自然、未来をそれぞれテーマにした三つの劇場を用意し、台湾の科学技術の実力をアピールする。期間中、延べ100万人の来場を見込む。
台湾は国際組織、博覧会国際事務局(BIE)に加盟していないため、「台湾」名義での参加ができない。そのため、台湾貿易センターが2021年に設立した100%出資の子会社「玉山デジタルテック」の名義でパビリオンを出展する。
経済部の江文若次長は、TECH WORLDパビリオンは「世界とつながり、未来の素晴らしい生活を共につくる」を中核的コンセプトとし、台湾の文化的魅力とテクノロジー革新の力を表現すると紹介。パビリオンには20億台湾元(約90億円)を投じた。
建物の外観は台湾の美しく壮麗な山々から着想を得てデザインし、金属素材を用いることでテクノロジー感を演出した。また、来場者にはスマートブレスレットを装着してもらい、心拍数のデータを用いてその人がどの劇場を最も気に入ったか分析する。例えば自然劇場が気に入った人には台湾の自然を楽しめる旅行プランを提案するなどし、訪台客の呼び込みを図る。
台湾貿易センターの邱揮立副秘書長は、台湾が出展するパビリオンの面積は2129平方メートルだと説明。台湾パビリオンへの来場者数は2010年の上海万博の79万人を上回るだろうとの見通しを示した。
台湾パビリオンが将来的に台湾で展示される可能性については、郭智輝経済部長(経済相)からも同様の言及があったとし、適切な設置場所を検討する方針を明らかにした。一方で、建築物を完全に台湾に持ち帰ることはできないため、パビリオンのコンセプトを包括的に表現できるかどうかも考慮する必要があると述べた。