(台北中央社)卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は1日、南部・屏東県内にある対日輸出向け「竜虎ハタ」の養殖場を視察した。台湾はこれまで長く産業の望みを中国に託していたが、政治的な障害が常に起き得るため世界に転換する必要性があると訴え、その成功例の一つが竜虎ハタだと述べた。
竜虎ハタは交配種。親系統に当たる魚が、海中の藻類が作り出す毒素が原因の食中毒「シガテラ」を引き起こすとされている関係で、日本は輸入を認めていなかった。だが台湾側からの粘り強い働きかけにより、日本の厚生労働省が調査や研究を実施。養殖用水や餌の管理を適切に行った場合の毒化リスクが低いことが分かったため、厚労省は昨年10月、適切な管理を行っている養殖施設の証明書類を添付することを条件に輸入を認めた。
卓氏は視察時、先進の科学技術を通じて技術的な障壁や安全上の懸念を取り払い、日本が輸入を受け入れたとして養殖業者への感謝を伝えた。また、これは台湾の生産物が一流の品質で、安全であることを示していると語った。