(台北中央社)職員の自殺で何佩珊(かはいさん)前労働部長(労働相)が引責辞任したのに伴い、与党・民進党の洪申翰(こうしんかん)元立法委員(国会議員)が25日、労働部長に就任した。洪氏は台北市の労働部(労働省)庁舎で行われた交代式で、同部は優しい職場の手本にならなければならないとした上で、社会からの信用を取り戻し、全国の労働者の権利を守っていくと決意を表明した。
今月4日、同部の男性職員が庁舎で死んでいるところを発見され、自殺と断定された。自殺を巡っては職場内いじめの存在が指摘され、同部がその後行った調査の結果では、自殺の主な原因は業務過多だったとしつつ、職員が在籍していた分署の分署長に「管理の仕方や感情コントロールに確かに不適切な点があった」とされた。同部が分署長に下した懲戒処分に対しても「軽すぎる」として世論から批判が噴出。何氏は21日に辞表を提出し、同日受理された。
洪氏はあいさつで、亡くなった職員と遺族に謝罪を表明し、深く頭を下げた。自身が社会運動団体出身であることに触れた上で、初志を変えずに全力で取り組み、皆と共に問題を解決し、難題を克服していくと語った。
洪氏は1984年生まれの40歳。台湾大学大気科学科中退。非政府組織(NGO)、綠色公民行動連盟の副秘書長や行政院(内閣)エネルギー・二酸化炭素削減オフィス専門委員などを歴任した。今年2月から立法委員2期目を務めていたが、労働部長就任のために辞任した。