(台北中央社)空軍が導入を計画している新型の初等練習機について、航空機製造の漢翔航空工業(台中市)は8日、第1段階の設計が既に完了していると発表した。2028年の初飛行、31年の量産を見込んでおり、33年に初等練習機「T34C」と置き換えるとする空軍の要求を満たせるとしている。
T34Cは米国製で、1985年に49機が導入された。40年近く空軍で飛行訓練の役目を担ってきたが、稼働年数や装備不足などにより、近年、置き換えを求める声が立法委員(国会議員)から相次いで上がっていた。空軍がこれまでに立法院(国会)に提出した予算に関する報告によれば、T34Cは2033年に順次退役する予定。
同社は第1段階の設計について、政府系研究機関、国家中山科学研究院(中科院)と同社で共に完了させたと説明。第2段階となる細部の設計も同社と中科院で進めるとしている。
予算については、45機を自主開発・自主製造した場合は214億台湾元(約997億円)、海外から購入した場合は186億元(約866億円)だとした上で、メンテナンスなどを考慮すれば海外からの購入やリースより安く抑えられるとした。さらに自主開発・自主製造で投じられる国家予算は大部分が台湾の経済発展の呼び水になるとし、国産のメリットを強調した。