(台北中央社)台湾を訪問している英国のトラス前首相は17日、中央社のインタビューに応じ、中国と交渉しても台湾の権利は保障されないとの考えを示した。「中国の行動は彼らが交わした約束を守っていると示していない」と訴えた。
トラス氏は香港を例に挙げ、英国は過去に中国と交渉した上で香港を守る文書を交わし、国連に登録したことに言及。それにもかかわらず「香港国家安全維持法」が施行されたと指摘した。
台湾海峡の緊張を緩和するための交渉について問われると、「交渉を主張する人々に問いたいのは、もし良いと思われる条件で合意できたとしても、それが実際に守られる保証は何かあるのかということだ」と中国の姿勢に懐疑的な態度を示した。
交渉には善意が必要だと考えるトラス氏。だが、中国は台湾やリトアニア、オーストラリア、カナダなどの民主主義陣営に圧力をかけているとし、「脅威に立ち向かう唯一の方法は強さを示すこと」だと呼びかけた。
トラス氏は16日に台湾入り。20日まで滞在する。英国の首相経験者の台湾訪問は1996年のサッチャー氏以来27年ぶりとなった。