7月下旬に襲来した台風3号により、パクチーの価格が高騰している。パクチーを使用した月餅もそれにより値上げされているが、需要に供給が追いつかない状況が続いているという。
台湾ではパクチーは主に中部・彰化県の北斗鎮で栽培されており、その年間生産量は台湾全体の8割を占めている。パクチー味の月餅を開発した地元のパクチー農家、顔佑任さんによれば、台風が過ぎ去った後の8月初旬、パクチーの値段が上がり続け、最も高い時は1斤(600グラム)1080台湾元(約4760円)に上ったこともある。例年なら夏は1斤100元(約440円)、冬は同30元(約130円)だといい、今も通常価格に戻ってはいない。
中央社の取材に応じた顔さんは、今年はパクチーの月餅を販売するつもりはなかったが、常連客からの問い合わせが相次いだことから、インターネットによる予約の受け付けを開始したところ、20日で予定を大幅に上回る量の注文が入ったため、緊急にネット予約の受付を停止したと説明した。
パクチー月餅のコストについては、1個当たり10元(約44円)値上げしなければならないが、常連客に還元しようと、値上げを2.5元(約11円)に抑えたとした。
月餅は中華圏の人たちにとって中秋の名月(今年は9月17日)に欠かせない食べ物の一つで、味の種類が多くバリエーションに富んでいる。