南部・台南市を流れる曽文渓の堤防近くにこのほど、台湾ではまれに見られる珍鳥、マダラチュウヒが飛来した。その姿をカメラに収めようと、各地から愛鳥家が詰めかけた。台南市野鳥学会が3日、報道資料で知らせた。
同学会によれば、マダラチュウヒはアジアの北に分布し、夏は東北アジアで繁殖、冬には南アジアや東南アジアに渡り越冬する。台湾は短期間で通過していくのみで、ときには越冬個体が確認される。それも主に幼鳥で、成鳥の雄は何年かに一度しか現れないため、飛来するたびに注目の的となる。
同学会は、各地愛鳥家の観察記録に基づき、この個体は「もしかして今年5月から8月初めまで、中部・雲林県に流れる濁水渓の河口に滞在し、8月中旬ごろに台南に飛んできたのではないか」と指摘。「春から秋までの台湾滞在は初めてだ」としている。
同個体について「台湾野鳥図鑑」の作者、廖本興さんは生後3年目を迎える雄で、まだ換羽中だと説明。換羽を終えれば美しい黒と白の羽色になるという。