写真は台湾の山間部でよく見られるシカ科の動物、キョン。草食獣でかわいく見えるが、雄には鋭い牙があり、肉食動物並みの攻撃・殺傷能力を持つため、野外で出会った際は注意が必要だという。
台北市立動物園によれば、キョンは台湾固有亜種で台湾で最も体型の小さいシカ科動物。大きさは中型犬ほどで、鳴き声も犬に似ていることから「吠鹿」(吠える鹿)とも呼ばれる。
他のシカ科動物と同様、雄のキョンは頭上には年に1回生え替わる1対の角を持っている。シカと比べるとやや小さいものの、縄張りの主張や雌の取り合いなどで、ちゃんと「武器」としての役割を果たしている。
鋭い牙も雄のキョンにとっての秘密兵器。警戒心が強く、臆病な性格で何かあるとすぐ逃げてしまうため、普段はあまり見られないが、ちょっとかすめただけで皮膚を切ってしまう恐れがあるとか。
同園は「おとなしい見た目に騙されて近づいたり触ろうとしたりすると、けがにつながりかねない」と警告を発している。