(金門中央社)中国・福建省に近い金門県金沙鎮の廃映画館「金沙戯院」の建物で修繕工事が始まった。県政府文化局では、地元の人々と映画館との集団的記憶の再現に期待を寄せている。
同映画館は1963年、金門で戦時統治(戦地政務)体制が敷かれていた際、軍人や地元民を激励するための文化施設として建設された。娯楽の場であると同時に、金門では初となる官民が合弁で運営した映画館だったが、軍事態勢の見直しなどを受けて89年に営業を休止した。一部は歴史建物に登録されている。
文化局によると修繕工事は今月から開始された。施工期間は4カ月を予定しているという。
工事を請け負う金門伝統建築匠師協会の陳成基理事長は中央社の取材に、歴史建築に登録されている部分では欠損箇所の修繕にできる限り当時の建材を使わなければならないと話す。また修繕を通じて地元の人々に当時の記憶を思い出してもらいたいと語った。