南部・屏東県東港鎮の伝統行事「屏東東港迎王平安祭典」で重要な役割を果たす木造船「王船」が22日午前、東港鎮の街中を移動した。祭典を主催する東港東隆宮から「屏東県王船文化館」に移すため。今後、同施設で約2年にわたり展示される。
屏東東港迎王平安祭典は3年に1度、厄除けを祈願して行われる宗教行事。台湾で信仰される神「王爺」を乗せるための王船を開催ごとに作り、行事の最後には海岸で焼き払うことで王爺を見送る。同様の祭典は県内複数箇所で開かれる。
今回、文化館に移されたのは、東隆宮が造船技術や文化の継承を目的に2015年に制作した保存用の王船。実際に祭典で使われる船の半分ほどの大きさだという。移動は「角頭」と呼ばれる地域組織が担当し、実際の祭りさながらに行われた。