(台中中央社)中部・台中市の自然科学博物館(科博館)などが、台湾で絶滅したとされるウンピョウの剥製標本から3Dモデルを制作し、AI(人工知能)を活用して林の中を歩く様子を再現した。
科博館によると、台湾では日本統治時代の1933(昭和8)年に東部や中部・南部の山地で20匹のウンピョウが捕獲された記録が残っているが、その後絶滅したとみられている。
3Dモデルの制作に使われたウンピョウの剥製は農業部(農業省)林業・自然保育署嘉義分署が管轄し、1935(昭和10)年に開館した阿里山博物館で展示されたもの。99年の台湾大地震で損傷し、科博館が修復していたが、年月が経過してもろくなり、長期的な保存のため、17日に鳥類やげっ歯類の剥製126点と共に同分署から科博館に寄贈された。
科博館の陳彦君アシスタント研究員はウンピョウの剥製について、左後足に亀裂が入っているが、精巧な技法や落ち着いたたたずまい、生き生きとした表情を見ることができると強調。台湾では数少ない文献記録が残る剥製の一つだと語った。