(台北中央社)中国を訪問中の国民党の馬英九(ばえいきゅう)元総統は17日、中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)のトップ、宋濤主任と面会した。馬氏は、台湾で多くの人が両岸(台湾と中国)間の民間レベルでの活発な往来や交流を支持しているとし、中国に対し、両岸の平和的発展を推進するよう呼びかけた。
馬氏は14日から27日までの日程で訪中している。自身が董事長(会長)を務める基金会主催の青年育成プログラム「大九学堂」に参加する大学生らを帯同した。
馬氏は、台湾の大学生を帯同した目的は学生の視野を広げるだけでなく、両岸の民間交流の架け橋を築きたいからだと説明。ますます多くの台湾の若者が中国大陸に来て学び、インターン、起業をしているとし、中国大陸の青年も台湾を理解する機会をより多く得られることを望むと述べた。
また、海峡両岸は1992年にそれぞれが「海峡両岸はいずれも一つの中国原則を堅持する」と口頭で述べ合うことで合意したと言及。このコンセンサスは外的環境や情勢がいかに変化しても決して変わらないとし、「92年コンセンサス」と「台湾独立反対」といった共通の政治的基礎の上で、両岸は手を取り合って大きな歩みで前進できると訴えた。
最近台湾で行われた世論調査の結果にも言及し、複数の調査で多数の人が両岸間の民間レベルでの活発な往来や交流を支持していることが示されたと紹介。これこそが台湾の主流民意が反映された現状だとし、中国に対し、台湾の民意の動向に目を向け、両岸の平和的発展継続に尽力するよう促した。