(台北中央社)2025台北映画賞の授賞式が5日、台北市内で行われ、タイの俳優ワンロップ・ルンカムジャッドが「白衣蒼狗」で主演男優賞を獲得した。外国人俳優が主演男優賞を受賞するのは初めて。最高賞のグランプリにはドキュメンタリー映画「大風之島」が選ばれた。
台北映画賞は国産映画を対象としたアワードで、今年で27回目を迎えた。今年は長編劇映画46本、ドキュメンタリー映画57本、短編138本、アニメーション33本の計274作品の応募があった。
「白衣蒼狗」は台湾で働く移民労働者の状況や制度を巡る闇を浮き彫りにした作品。ワンロップはタイからの不法移民の青年を演じた。ワンロップは授賞式で中国語であいさつし、「この賞は自分のものではない。『白衣蒼狗』に関わった人たちのものだ」と感謝した。また、成長の過程には台湾映画の存在が常にあったとし、「この作品に参加する前、役者を辞めようかと考えていた。この作品があったからこそ続けることができた」と話した。
主演女優賞はカオ・イーリン(高伊玲)が「我が家の事」(我家之事)で受賞した。
長編劇映画にはトム・リン(林書宇)監督の「イェンとアイリー」(小雁与呉愛麗)が選ばれた。
「白衣蒼狗」「大風之島」「イェンとアイリ―」「鬼才之道 ~冥界タレント協会」がいずれも3部門を受賞し、今年の最多受賞となった。