(高雄中央社)太陽エネルギーや水素エネルギーを使用し、二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッション船「ポリマ1号」の進水式が22日、南部・高雄市の興達港で行われた。今後は中華民国(台湾)と外交関係を持つ太平洋の島国、パラオで観光船として運用される予定だ。
ポリマ1号は、パソコン大手・エイサー(宏碁)の創業者、施振栄氏が立ち上げたポリマ(保利馬)が中心となり、台湾のサプライヤーが建造。進水式には陳其邁(ちんきまい)高雄市長や林佳竜(りんかりゅう)外交部長(外相)、パラオのウィップス大統領らが出席した。
陳市長はポリマ1号の建造について、温室効果ガスを実質ゼロにする台湾のネットゼロ関連産業の強い実力を示しただけでなく、観光発展が科学技術や環境保護と結びついた象徴的な意義を持つと語った。また高雄がゼロエミッション船の建造で世界をリードする地位となり、より多くの就業機会と産業の価値をもたらすだろうと期待を寄せた。
林部長も同日、フェイスブックを更新し、台湾最先端の太陽・水素・風力エネルギーと人工知能(AI)のテクノロジーが融合した未来の船は、外交部(外務省)が進める友好国などに対する経済発展支援プロジェクトの成果の一つだと強調。技術を海外のパートナーに供与し、世界各地でゼロエミッション船の建造を推進したいと語った。
またポリマ1号は今後、大阪・関西万博や来年開催される太平洋諸島フォーラム(PIF)でも公開する予定だとし、台湾とパラオの協力の具体的成果としてアピールすると述べた。