(ワシントン中央社)米共和党の上下両院2議員は21日、米国の大手ホテルチェーン、ヒルトンやマリオット、ハイアットのトップに対して書簡を出し、公式サイトや宣伝素材で「中国台湾」の文言を使用していることに深刻な懸念を表明した。書簡では、同文言の使用は台湾が中華人民共和国の一部だと暗に認めていると解釈される可能性があるとし、使用を控えるよう呼びかけた。
書簡を出したのは、ジョン・ムーレナー下院議員とマーシャ・ブラックバーン上院議員。「中国台湾」という言葉の使用は米政府の立場と明らかに対極を成していると指摘した。米国務省などが昨年10月、フォーチュン誌が選ぶ全米上位500社のトップに対し、台湾については「台湾」と表記するよう求める書簡を出したことに触れ、これは歴代の米政権が党を問わず維持してきた対台湾政策と合致するものだと説明した。
また書簡では3社に対し、「中国台湾」の文言の使用に関して中国政府や関連の法人・組織からの指示の有無や、今後、米国や台湾を拠点に運営されるウェブサイトで「台湾」の文言を使うかなどについて回答を求めた。
「中国台湾」の表記を巡り、マリオットは2018年、公式サイトやアプリなどで台湾、香港、マカオ、チベットをいずれも「国家」に分類していたことで、中国政府から中国語サイトの一時閉鎖を命じられていた。これを受け、中国で事業を展開する多数の外国企業が台湾の表記を「中国台湾」に変更した。