(屏東中央社)昨年日本が条件付きで輸入を認めた台湾産の養殖「竜虎ハタ」が5日、初めて日本に向けて出荷された。出荷量は2.8トン。南部・屏東県で開かれた記者会見で陳駿季(ちんしゅんき)農業部長(農業相)は、中華風の魚料理を広め、より多くの日本の消費者に竜虎ハタを知ってもらい、好きになってもらいたいと期待を寄せた。
竜虎ハタはアカマダラハタとタマカイの交配種。親系統に当たるアカマダラハタは、食べるとシガテラと呼ばれる食中毒を引き起こす恐れがある。このため日本は竜虎ハタの輸入を認めていなかったが、農業部(農業省)漁業署の8年にわたる働きかけが実を結び、昨年10月、台湾産養殖品種の輸入が解禁された。
農業部によると、今回出荷された竜虎ハタは西日本鉄道グループが購入した。同鉄道が運行する観光列車「ザ・レールキッチン・チクゴ」の車内で提供される他、ホテルやスーパーなどを通じ、関西や北海道の一部でも味わえる機会があるという。
陳部長は、今後も業者に対し、加工・養殖技術向上や海外市場開拓の支援を続けると説明。安定したサプライチェーン(供給網)の構築だけでなく、業者の対日輸出資格取得指導、日本市場向け商品の開発、養殖環境の監視、品質と安全の確保などを通じて竜虎ハタの海外販売に取り組むとした。
周春米(しゅうしゅんまい)屏東県長は、産官学界の専門家による複数の厳格な審査を経て選び抜かれた、レベルの高い屏東水産業の結晶だとして、品質の高さをアピールした。