(台北中央社)スイス・ジュネーブで開催中の世界保健機関(WHO)総会本会議で、3日目の21日までに、24カ国と欧州連合(EU)の代表が台湾を支持する発言をした。中華民国(台湾)と外交関係を持つ中米ベリーズは、ジュネーブのWHO本部前に設置されている足が1本欠けたオブジェ「壊れた椅子」に触れ、「台湾を入れてこそ、この椅子と世界の公衆衛生の努力は完全になる」と訴えた。
台湾は2009年から16年までオブザーバーとしてWHO総会に参加していたが、17年以降は招待状が届いていない。
台湾を支持する発言をしたのは、外交関係を持つ11カ国とEU、スウェーデン、ルクセンブルク、チェコ、リトアニア、英国、オランダ、エストニア、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランス、日本。EUとスウェーデンは台湾の名前は出さなかったものの、「世界のいかなる地域も取り残してはならない」などと発言した。その他の23カ国はいずれも台湾を明確に支持する発言をした。
ベリーズの保健相は「ジュネーブには壊れた椅子の彫刻がある。これは不完全を象徴するものだ。台湾を入れてこそ、この椅子と世界の公衆衛生の努力は完全になる」と述べた。台湾の邱泰源(きゅうたいげん)衛生福利部長(保健相)は20日に国交樹立国の代表を招いて開いた懇親会で、「壊れた椅子」の下で欠けた足を支えるポーズを取る自身の写真を披露し、台湾がWHOに参加する意味を伝えていた。ベリーズの保健相はその場で邱氏に対し、WHO総会での発言の際にこの比喩を用いるつもりだと話していた。
例年、台湾を支持する発言をしてきた米国はトランプ大統領が1月の就任直後に脱退を表明したため、総会では21日、ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官のビデオメッセージが流された。ケネディ氏は、WHOが中国の不当な影響を受けていることを批判し、その他の国に対し、WHOの外で米国と協力するよう呼びかけた。