(金門中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は20日朝、中国福建省に近い離島・金門の周辺海域で、不法上陸を図ろうとしていた中国籍の男2人を発見し、逮捕した。この日は頼清徳(らいせいとく)総統が就任1周年を迎えた節目の日であったことから、認知戦の可能性を排除しないとの見方を示した。
同署によれば、同日朝5時過ぎ、金門島の西にある二胆島周辺海域で、男2人が小型船から発泡スチロール製の板を海上に浮かべて島への上陸を図ろうとしているところを赤外線サーモグラフィー装置によって見つけた。即座に巡視艇を派遣し、午前7時53分に中国籍の男2人を逮捕し、中国製の小型船1隻をその場で押収した。二胆島と中国の距離は最短で約5キロ。
同署は、中国は長期にわたり、さまざまなタイミングや口実を利用して軍事的干渉や、実際の武力攻撃には至らない「グレーゾーン」の干渉を行っていると指摘。昨年5月20日の頼総統就任後にも中国が軍事演習を実施したことに触れ、中国が不法上陸事件を利用して再び認知戦を展開し、最小のコストで、人々の士気を乱す最大の目的を達成しようと画策した可能性を排除しないとした。
16日にも北部・桃園市の海岸にゴムボートで上陸した中国籍の男2人が逮捕された他、18日には「桃園の海岸にゴムボートで上陸した」とする中国人の男の動画がインターネット上に投稿された。