(神戸中央社)円安を背景に台湾から日本を訪れる観光需要の高まりが続いている。台湾の航空会社が運航する台日間の航空便は週計530往復以上に達し、各社ともに旅客収入の中で大きな比重を占めている。
日本の観光庁によると、2024年の訪日外国人旅行者数は延べ3686万9900人で、台湾からは延べ604万4400人だった。国・地域別では韓国、中国に次いで3番目に多かった。18日から国際チャーター便の運航が始まった神戸空港には、高い訪日需要に後押しされるように、エバー(長栄)航空が台北(桃園)線、スターラックス(星宇)航空が台北(桃園)線と台中線をそれぞれ就航させている。
台日路線を最も多く運航しているのは台湾唯一の格安航空会社(LCC)、タイガーエア台湾(台湾虎航)だ。今月2日に大分線を開設した他、5月29日には鳥取に就航する予定。日本の22空港に乗り入れることになる。北東アジア路線の収入は旅客収入全体の87%を占め、うち日本路線の割合は77%に達しているという。
チャイナエアライン(中華航空)は現在、日本の12空港に就航し、週150往復以上を運航。うち鹿児島や広島、石垣などには台湾の航空会社としては単独で乗り入れており、日韓路線の収入は旅客収入全体の約3割に達している。またエバー航空も日本の10空港に就航。松山線や青森線を単独で運航し、北東アジア路線の収入は旅客収入全体の20%を占めている。
台湾の航空会社で最も後発となるスターラックス航空でも、昨年の日本路線の収入は旅客収入全体の49%に達した。同社の王雲翔日本支社長は、日本路線を利用する台湾人の比率は全体の9割近いと話す。ただ最近の円高傾向や日本市場の開拓、観光署(観光庁)のPRなどで日本人乗客は前年比で約3割増加しているとし、今後は機材繰りを見直すなどして積極的に日本人の利用拡大を図る方針だとしている。