(大阪中央社)13日に開幕する大阪・関西万博の会場で9日、報道陣向けの「メディアデー」が開催され、台湾が民間企業として出展する「テックワールド館」でも展示内容が公開された。「世界をつなぎ、より良い未来の暮らしへ」をコンセプトに、ネイチャー、ライフ、フューチャーをそれぞれテーマにした三つの劇場を用意し、人同士、人と自然、社会同士が「共に良くなる」との価値観を伝える。
同パビリオンは経済部(経済省)の外郭団体、台湾貿易センター(中華民国対外貿易発展協会、TAITRA)が100%出資する民間企業、玉山デジタルテックが出展した。台湾は同パビリオンに20億台湾元(約90億円)を投じた。
パビリオンの外観は台湾の山々から着想を得てデザインされた。入って最初に目に入る「ライフ劇場」では、映像を投影する円筒型のスクリーンと花に見立てた560台のモニターによって一面の「花畑」が織りなされ、島の多様な生態を紹介。「ネイチャー劇場」には360度のアーチ型スクリーンが設置され、4Kレーザープロジェクターによって投影された映像と台湾らしい香りによって、六感を使った体験を提供する。また、「フューチャー劇場」には液晶の画面の明暗を高めた「ミニLED」を採用した幅13メートル、高さ2.4メートルの巨大スクリーンを配置し、インタラクティブセンサーと立体映像技術を用いて来場者に未来の生活を感じてもらう。
パビリオンのアテンダントの制服はタイワンスギがデザインの基になった。台湾人の強い精神力と生命力を伝えているという。
同パビリオンの館長を務める邱揮立TAITRA副秘書長によれば、パビリオンの完成までには3年を要し、100人ほどに上るスタッフが参加した。邱氏は「台湾にとっては、非常に大変なことだった」と明かした。