(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場建設を契機に台湾と日本の産業連携が進む中、双方の人工知能(AI)や半導体産業の協力を深化させようと、経済部(経済省)は福岡に台湾貿易投資センターを設置する。郭智輝(かくちき)経済部長(経済相)が11日、センター設置計画を発表した。同センターを通じ、台湾企業の日本での展開を支援する。
経済部国際貿易署によると、郭氏は同日、九州と山口、沖縄の9県からなる九州地方知事会と経済団体でつくる「九州地域戦略会議」の台湾訪問団と経済部庁舎で面会した。訪問団は九州経済連合会の倉富純男会長が団長、河野俊嗣宮崎県知事が副団長を務めた。
郭氏は、世界の半導体サプライチェーン(供給網)の中心である台湾と、日本の重要な半導体産業基地の九州地区には高い相互補完性があると言及。経済部は福岡への台湾貿易投資センター設置を計画していると明かし、台湾企業の日本進出が順調に着地できるよう支援する他、台日の半導体サプライチェーン協力の見通しを策定し、AIやロボット、無人機などの産業にも応用していく方針を示した。
経済部によれば、台日双方は将来的な半導体やAI、電気自動車(EV)などの分野でのサプライチェーンの協力についても話し合い、大企業が中小企業を引っ張る形で、共に中小企業の海外市場進出を後押しすることで同意したという。