(台北中央社)自民党が過去最多の議席を獲得した8日投開票の衆院選の結果を受け、台湾の専門家は、台日関係がより強固になるとの見方や、中国による脅迫的な行為が有権者の投票行動に影響を及ぼしたとの分析を示している。
成功大学(南部・台南市)政治学科教授で中華民国当代日本研究学会理事長の王宏仁氏は取材に応じ、高市早苗首相が今後、北京からの圧力を気にすることなく、台日の交流をさらに強化するだろうとの見方を示した上で、これは高市氏の個人的な志向によるものではなく、日本の国家利益に基づくものだと話した。
王氏はまた、将来起こり得る両岸(台湾と中国)の衝突に備えるため、日本は台湾との情報共有や海上安全、武力攻撃には至らない範囲で現状変更を試みる「グレーゾーン」行動への対応において連携を強化し、地域情勢を的確に把握できる体制を確保するだろうと述べた。
国家安全保障の関係筋は、高市氏を勝利させた最大の功労者は、高市氏本人や自らの殻を破った自民党だけでなく、北京当局であった可能性もあると指摘。外交・軍事・経済的圧力や認知戦の操作といった、台湾では見慣れた中国による「選挙支援」の手法が日本でも初めて全面的に表れたとし、これが日本社会で大きな議論を呼んで「台湾は毎日これに耐えてきた」との認識が広がったとの考えを示した。
日本政治に詳しい国際問題の専門家は、北京が描いたシナリオは極めて明確で、経済・軍事的圧力をかけ、戦争を嫌う日本の有権者に対し「タカ派」のレッテルを貼られた高市氏を諦めるように仕掛けたと指摘した。
だが北京は日本社会の地政学に対する感度を低く見積もっていたとし、過去数十年の台湾の選挙と同様、北京が軍事的圧力を高めるほど、有権者の反発心理は強まったと言及。高市陣営はこの点を鋭く捉え、選挙戦の主軸を経済成長から「日本の主権と尊厳を守る」へと転換したと説明した上で、多くの中間層にとって、高市氏への一票はもはや自民党支持にとどまらず、外部からの「いじめ」に対する無言の抗議となったと語った。