中部・台中市の李総合医院は24日までに、腸内から直径6センチ、高さ8センチの湯飲み茶わんを摘出した症例を紹介した。肛門からの取り出しを試みたものの成功しなかったため、開腹手術を行った。
同院によれば、患者の男性は3日間排便ができていないと訴えて来院。レントゲンを撮ったところ、骨盤に囲まれた空間に茶わんがあるのが見つかり、すぐに手術を行うことになった。
手術では器具や内視鏡を使って摘出しようとしたものの、つるつると滑ってうまくいかず、割れれば感染症のリスクもあったため、最終的には開腹して腸を切開した。取り出しには2時間以上かかった。排便のために、一時的な人工肛門も造設した。
茶わんを見た時は「びっくりした」という呉坤達医師。手術後、患者に理由を聞いても「分からない。うっかりだ」と恥ずかしそうに話すだけだったと語った。
呉医師は肛門に異物を入れるケースは、臨床では好奇心や刺激を求める行動が理由として見られると説明した。過去には野球ボールやマッサージ器具、ヤシの実などの事例を聞いたことがあるとした上で、これらは肛門括約筋の弛緩による失禁や腸管の壊死・破裂、腹腔内感染から腹膜炎を引き起こし、さらには命に関わる危険もあると指摘。特別な嗜好(しこう)を持つ人々に対し「軽い気持ちで試さないで」と呼びかけた。


