(台北中央社)米国を拠点に活動する台湾出身のピアニスト、ハン・チェン(陳涵)さんの録音作品が、米音楽界で最高の栄誉とされる第68回グラミー賞の最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ賞にノミネートされている。チェンさんがこのほど、中央社のインタビューに応じた。
アフリカ系女性としては初めて、米国で公に作曲家と認められたフローレンス・プライス(1887~1953年)の「1楽章のピアノ協奏曲」を、ジョン・ジーターさんの指揮で、マルメ歌劇場管弦楽団(スウェーデン)と演奏した。
チェンさんはジーターさんと連名でノミネートされた。ジーターさんから第一報を受けた時は「電話口で一緒に叫んだ」という。
曲について、長年にわたり消失していた楽譜が、作曲家が避暑のために使っていた小屋の廃虚で2009年になって偶然発見されたものだと紹介。優れた技巧やあふれる情熱が人の心を深く動かすとし、プライスがアフリカ系米国人の音楽をクラシックに取り込もうと努力していた様子が伝わってくると話した。
現代の音楽家が、作品にどのように意義を与えるかを再考するタイミングにあると指摘するチェンさん。「演奏を通じて音楽と社会の間にある空白を埋められることに、興奮を覚える」と述べた。
受賞者は2月1日にロサンゼルスで開かれる授賞式で発表される。
▽ハン・チェン(陳涵)
1992年、中部・台中生まれ。4歳からピアノを始め、9歳の頃に家族と中国・上海へ移住した。上海音楽学院付属中を卒業後に渡米し、ジュリアード音楽院の大学・大学院課程を飛び級で卒業・修了。ニューイングランド音楽院を経て、現在は演奏活動や後進の指導の他、ニューヨーク市立大学大学院センターで博士課程に在籍している。