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日本統治時代の校長宿舎を管理する作家 初代校長を紹介する小冊子を制作/台湾

2025/02/20 16:54
旧校長宿舎の蒋勲書房を背に笑顔の蒋勲さん(左から2人目)や小冊子「蒋勲書房と堀尾一彦」の編集者ら=2025年2月15日、台東県
旧校長宿舎の蒋勲書房を背に笑顔の蒋勲さん(左から2人目)や小冊子「蒋勲書房と堀尾一彦」の編集者ら=2025年2月15日、台東県

(台東中央社)東部・台東県池上郷の福原小学校に日本統治時代から残されていた校長宿舎を引き取り、2023年に文化施設「池上蒋勲書房」として再生させた作家の蒋勲さん。宿舎のあるじだった初代校長の堀尾一彦さんを取り上げた小冊子「蒋勲書房と堀尾一彦」をこのほど刊行した。15日に同施設で発表会が行われ、蒋さんが冊子を紹介した。

冊子は販売せず、同施設を訪問した人に配布するという。蒋さんは、かつて若くして台湾に赴任し、その後台東に異動して池上公学校(現在の福原小)の校長になった一人の日本人がいたことや、その堀尾さんが台東の土地に抱いた感動をしたためた詩を、多くの人が施設を訪れて冊子を通じて知ってほしいと話した。

堀尾さんに関する資料を調べていたところ、辞表が出てきたというエピソードも披露した。北部・基隆の暖暖公学校で校長を務めていた堀尾さんは、業者が物品を期日までに納品できない状況に直面。業者の事情を知って納品前に支払いをしたものの、これが規則に反すると知ったため、辞職を申し出たという。蒋さんは、その責任感に感動したと同時に、これが理由で堀尾さんが台東に来ることになったと語った。

冊子を販売せずに配布という形式を取ることについて蒋さんは、堀尾さんの出身地、熊本県を訪問した際に期せずしてたどり着いた同県の産山村で、村が発行する1冊の小冊子に出会ったことがきっかけだと説明。シンプルなイラストや言葉で村を紹介する配布物で、小さな村でもこのような無料配布の冊子を制作できるということに尊敬の念を抱き、今回の新刊につながったと明かした。

配布期間は3月23日までの予定。毎週火曜と水曜は団体、木曜から日曜までは個人での参観を受け付ける。いずれも公式サイトからの予約が必要。

(邱祖胤/編集:田中宏樹)

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