(台北中央社)国立故宮博物院は来年、創立100周年を迎える。節目の年を前に、故宮の観光資源としての価値向上を図る「新故宮計画」が進められており、計画の一環で建設された北部院区行政ビル・図書館(台北市)の看板除幕式が27日、行われた。出席した卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は、故宮を「世界の故宮」にしたい考えを示した。
故宮は1925年に北京で創設され、中華民国政府の台湾移転に伴って同院の文物も49年までに台湾に移された。65年、台北新館(現北部院区)が開館。2015年には南部・嘉義県に南部院区がオープンした。
来年は北部、南部両院で100周年を記念した特別展が続々と開催される他、チェコやフランスでの特別展も予定されている。故宮の文物がチェコに渡るのは初めて。チェコ・プラハの国立博物館で来年9月から12月まで、フランス・パリのケ・ブランリー美術館で同11月から26年3月まで展示される。
故宮の蕭宗煌院長は、故宮の100年の歴史において75年は台湾に根を下ろしてきたと話し、南部院区開館10周年と故宮創立100周年を同時に迎える節目の年に、故宮の文化の奥深さを国内外の人々にさらに理解、体験してもらえればと述べた。