(台北中央社)東京・上野の東京芸術大学大学美術館で6日に始まる展覧会で展示される台湾の国宝「甘露水」が台湾から同館に到着し、2日に開封された。甘露水は1910~30年の台湾美術界を代表する彫刻家、黄土水(1895~1930年)による裸婦像。展覧会では黄にフォーカスを当て、同じ時代を生きた美術家の作品も紹介する。
甘露水を所蔵し、展覧会を東京芸大美術館と共催する国立台湾美術館(中部・台中市)の報道資料によれば、双方は作品の国際輸送や展示について1年余り前から調整を行ってきた。海外である日本で国宝を安心して展示するために、同館は最高レベルの安全管理態勢で輸送。日本到着後48時間は作品を安置し、展示場所の環境に慣れさせてから開封し、状態が良好なことを確認したという。
黄は東京芸大の前身、東京美術学校に留学した初めての台湾の芸術家。展覧会「黄土水とその時代─台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」では黄を生み出した歴史的背景を再現することを狙い、甘露水など黄の作品10点や関連資料に加え、黄を指導した高村光雲をはじめとする同時期に活躍した彫刻家や洋画家の作品が展示される。
展覧会は10月20日まで開催。9月17日、同24日、10月15日は休館。