(台北中央社)総統選の投開票が13日に迫る中、AI(人工知能)を使って作成されたとみられる蔡英文(さいえいぶん)総統を中傷する動画がインターネット上で広まっていることが分かった。国家安全保障問題に取り組む関係筋は10日、中国の国家安全部門と強い関係性があるとし、短い時間内に国家元首に対して行ったサイバー軍による初の大規模訓練だとの見方を示した。
関係筋は、蔡氏は今回の総統選の立候補者ではないとしながらも、人々からの好感度や支持は高く、与党・民進党候補者の得票数の上乗せに寄与すると分析。中国は蔡氏のイメージを傷つけるなどして民進党政権に打撃を与えようとしているとし、選挙に介入するのが目的だと語った。
また蔡氏に関する動画は1月初旬からネット上で目に付くようになったと指摘。動画投稿サイトのユーチューブに登録された数百個以上の偽アカウントを通じて投稿された後、フェイスブックのファンページなどに転載されているとした。
その上で、動画の特徴から最近よく見られる中国の国家安全部門の手法だと強調。動画を投稿した複数のアカウントは中国による過去の工作活動でも頻繁に見られたものだとした。