台湾では55歳以上を対象としたシニア学習センター(楽齢学習中心)が整備されており、教育部(教育省)によればその数は2025年3月現在、372カ所に上る。講座の他にサークル活動も展開しており、これをきっかけに孤独な生活から抜け出した高齢者もいるという。同部が12日、各地のセンターの好事例を紹介した。
南部・台南市後壁区のセンターで最も特色あるサークル「千歳太鼓クラブ」は約30人のメンバーで活動しており、地域のイベントで頻繁に発表の機会がある。ステージでは拍手を受けるため、高齢者が肯定感を得ることにもつながっている。
太鼓クラブのメンバーの一人、90歳の李錦春さんは以前、人と関わることがほとんどない生活を送っていた。だがセンターに参加し始めると生活は変わり、今ではほぼ全ての講座に李さんの姿があるという。李さんは台南市政府から生涯学習の模範として表彰された。
同部は、シニア学習センターの目標は高齢者に学び、変わり、能力を強化してもらうことだと説明。中高年の人々の「人生の後半」を充実させる場だとして、参加を広く呼びかけている。