(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は20日、就任2周年の談話を発表した。中国との関係については、対等と尊厳を原則として、健全かつ秩序ある交流を展開する意思があるとする一方、「平和を装った統一」の形を取った統一戦線工作は断固拒否すると強調した。対話は望むが矮小(わいしょう)化は受け入れないと述べた。
頼総統は、この2年間を振り返り、世界情勢の急速な変化や権威主義の拡張、戦争や衝突、サプライチェーン(供給網)の再編、気候変動、エネルギー転換、人工知能(AI)の波に触れ、国家の競争力と強靭(きょうじん)性が絶えず問われたと指摘。また国内でも与野党が国家の方向性を巡って対立し、国会では前例にない膠着(こうちゃく)状態が生じ、人事や予算、法案の手続きが円滑に進められなくなっているとしながらも、台湾は後退してはおらず、前進していると語った。
その上で、この2年間で「民主的かつ自由な生活様式の維持」、「台湾海峡の平和的で安定した現状の維持」、「経済発展を通じた、より強靭で競争力があり、人々を支えられる台湾づくり」に取り組んできたと説明。台湾の未来は外部勢力によって決められるものではなく、台湾に暮らす2300万人が共同で決めるべきだとし、政党間の対立についても、外部からの脅威に直面する中で団結して共通の最低ラインを守り、国家利益の側に立つべきだと述べた。
また台湾海峡の平和と安定を守り、外部の力による現状の変更を阻止することは国家戦略目標だと主張。平和は、団結による国力の強化、明確な国家意志、世界の民主主義パートナーとの緊密な連携により初めて実現できると語った。
さらに、政府は国防改革を推進し、非対称戦力の強化、全国民の防衛強靭性向上、より充実した国土安全保障ネットワークの構築に努めてきたと強調。国防投資の増額は挑発のためではなく、戦争回避のためで、防衛力強化も衝突を激化させるためではなく、人々を守るためだと説明した。
加えて、社会投資の拡大や賃上げ、減税、住宅支援、長期介護制度の改善、育児負担軽減、教育投資などに取り組んできたと強調。今後は1千億台湾元(約5千億円)規模の計画を打ち出し、中小零細企業や従来型産業の高度化・転換などを加速させ、国家発展を促すとした。
また健康分野への投資では、医療環境の改善、医療人材の強化を進める他、少子化対策や子育て支援として18歳までの子供を対象に1人当たり毎月5千元(約2万5千円)の手当を支給すると表明した。エネルギー政策についても、安定供給と温室効果ガスの排出削減の両立を目指すとした。
今後は社会の強靭化に取り組むとともに、教育や科学技術、文化、スポーツ、国際交流への投資を続けると説明。政府は国家の安全保障や経済、人々の暮らし、台湾の国際的な地位を守り、台湾を「かけがえのない国家」にすると意欲を示した。