中国福建省に近い離島の金門と中国アモイなどを結んだ金門県政府のフェリー「太武輪」が、活躍の場を東部・台東の離島路線に移すことが決まった。台東県政府交通・観光発展処の卜敏正処長は、島民生活の安全性と利便性の向上、観光の安定した発展促進に期待を寄せている。
太武輪は1997年に高雄で建造された。基本的には金門島―烈嶼(小金門)間の航路で運用され、2001年から03年には金門島―アモイ間にも就航した。だが22年に金門島と烈嶼をつなぐ金門大橋が開通すると利用客が激減し、23年7月31日を最後に退役した。
4月には饒慶鈴(じょうけいりん)台東県長や同県の離島、緑島郷の謝賢裕郷長が金門を訪問し、太武輪の贈呈式に出席した。卜処長は、今後緑島島民の通学や通勤、通院の他、物資や郵便輸送での活躍に期待を示した。