4月3日の台湾東部沖地震の影響で、日本からの訪台旅行に一部影響が出る中、交通部観光署(観光庁)は「台湾安心宣言」を発表し、台湾への訪問を呼びかけています。
台湾での楽しみ方は名所巡り、グルメ、買い物などさまざま。本記事では、フォーカス台湾編集部員3人が台湾で実際に体験して印象に残った「アクティビティ・体験」を場所とセットで紹介します。定番の観光名所とは違った場所を訪れたいという方にもお薦めしたいスポットと体験をセレクトしました。
▽台北・猫空✕茶葉料理
台北郊外の猫空。ここはお茶の産地として知られ、文山包種茶と鉄観音が主に栽培されています。茶芸館でのんびりとお茶を楽しむ他、食事を提供しているお店で茶葉を使った料理を味わうのもおすすめです。眺めがいいお店でおいしい茶葉料理を食べながら過ごす一時は日常とは異なるリラックス感を味わえます。
一言コメント:茶葉料理は爽やかな味わいで、食が進みます。
▽新竹・北埔×客家文化
北部・新竹県北埔郷には台湾を構成するエスニックグループの一つ、客家人が多く暮らしています。清朝時代に商業の中心として栄えた老街(古い町並み)には文化財が点在し、歴史情緒を味わえます。ピーナツや茶葉をすりつぶしてお湯を注いで飲む「擂茶」や豚バラ肉とカラシナの漬物を蒸した「梅干扣肉」などに代表される客家料理も堪能可能です。見て、食べて、歩いて、客家の世界を感じられます。
一言コメント:擂茶はすり鉢とすりこぎを使って材料を自分ですりつぶすのが一般的。飲めるまで約30分程度かかりますが、家族や友人らと楽しく文化体験ができるのでお薦めです。
▽新竹の海岸✕サイクリング
北部・新竹市の台湾鉄路(台鉄)新竹駅からバスで30分ほどの南寮漁港。ここから南の海岸線沿いには約17キロにわたって自転車道が整備されており、海沿いの景色を眺めながらサイクリングを楽しめます。自転車は漁港にあるレンタルサイクル店で借りられるほか、沿線には公共自転車シェアリング「YouBike」のステーションも点在しており、観光客でも気軽に利用できます。
中間地点の「香山湿地賞蟹步道」では、片手のはさみが大きいカニ「シオマネキ」や干潟を這い回る魚「トビハゼ」などを観察できます。香山湿地賞蟹步道から足を延ばすとたどり着く台鉄香山駅では、日本統治時代に建築された木造駅舎が今も現役で使われており、歴史を感じられます。
一言コメント:南寮漁港は屋台や食堂が充実。新鮮な魚介類を楽しんでからサイクリングに出発するのもお薦めです。
▽台東・緑島✕シュノーケリング
東部・台東からフェリーで約50分ほどの場所に位置する離島・緑島。一周20キロほどの小さな島ですが、マリンスポーツでアクティブに過ごしたり、海を眺めてのんびり過ごしたり、かつて政治犯を収容した監獄の跡地にある国家人権博物館白色テロ緑島記念園区で歴史を学んだりと、多種多様な過ごし方を楽しむことができます。
海が好きな方におすすめしたいのは、シュノーケリング。船には乗らず、ビーチからそのまま泳いでシュノーケリングスポットを巡れるので、比較的気軽に体験できます。
一言コメント:緑島で見たサンゴ礁の美しさは忘れられません。
▽台南・麻豆代天府✕天国・地獄巡り
台湾人にも人気の旅行先の一つ、台南。グルメや古跡巡りなどが定番ですが、台湾通の方におすすめなのが、起源を1662年までさかのぼる廟、麻豆代天府です。本殿のスケールもさることながら、高さ38メートルの巨大な「竜」を模した建物の中に再現された天国と地獄が見どころです。
入口の階段を下ると、電動で動く人形やセットで「釜ゆで」や「臼ひき」などを紹介する「十八層地獄」があります。地獄を出ると雰囲気ががらりと変わり、美しく華やかな天国を再現した「天堂秘境」に入ります。最上階にある出口から外に出ると目の前には絶景が広がります。
一言コメント:手作り感満載の天国と地獄。変わったものを楽しみたい方はぜひ。ただし怖いものが苦手な人は注意が必要です。
▽台南・玉井×マンゴー
香り高く、きめ細やかでジューシーな果肉が人気のアーウィン(愛文)種をはじめとするマンゴーのふるさととして名高い南部・台南市玉井区。収穫期にはマンゴー青果市場に所狭しと並べられ、甘い香りが漂う中で外見や大きさ、価格など、品種ごとの違いを観察できます。商店街ではマンゴーかき氷やマンゴーアイス、マンゴージュースなどが味わえ、マンゴーを心行くまで満喫できます。
一言コメント:台湾で流通しているマンゴーの品種は想像以上に多いことが実感できます。マンゴーの収穫期は盛夏ですが、暑さを忘れられるマンゴーかき氷はきっと思い出の味になります。
▽台北✕オープントップバス
台北市内を走る2階建ての観光オープントップバス。中山北路を通って士林官邸や故宮博物院などを巡る「ブルーライン」と台北市街地を西は西門から東は市政府までぐるっと一周する「レッドライン」の2路線で運行されています。一度通ったことがある道でも、視点が上がると見える風景はがらっと変わり、台北の街並みの新たな魅力を感じることができます。
一言コメント:乗ってみたら予想以上の楽しさでした。いつもとは異なる風景がとても新鮮で、観光気分を満喫できました。
▽新北・北海岸✕老梅緑石槽
北海岸の新北市石門区老梅では毎年2月から5月にかけて、海岸の一部が緑に染まる幻想的な風景を見ることができます。火山の爆発によって海岸に残された岩礁が波の侵食作用によって削られ、縦に伸びる石槽ができ、そこに北東の季節風によって打ち付けられた海藻がくっつくことでこの風景が生み出されるとされています。
一言コメント:写真で見ても美しいですが、実物も感動を覚える美しさでした。見られる期間が短く、交通も便利ではないですが、一見の価値はあるスポットです。
▽台中・東海大学✕散歩・地産地消
台中市の東海大学はキリスト教系の私立大で、約133ヘクタールの広大な敷地を持ちます。キャンパスの中心に位置するチャペル「路思義教堂」は建築物として有名で、一見の価値があります。
東海大学のもう一つの名物が、乳製品。構内の実習用牧場で生産された牛乳やそれを加工したアイスクリームなどが売店で販売されており、フレッシュな味わいを楽しめます。
一言コメント:台湾の学生がどのような環境で生活を送っているかを肌で感じられます。台中国家歌劇院や彩虹眷村(レインボービレッジ)と併せて観光するにも便利な立地です。
▽宜蘭・蘇澳×冷泉
北東部・宜蘭県にある蘇澳は、台湾でも数少ない炭酸カルシウムの成分を含んだ冷泉が有名です。夏に厳しい暑さを吹き飛ばせるのはもちろんですが、寒い時期でも冷泉の中でじっとしていると、肌にたくさんの気泡が付き、次第に体がぽかぽかしてきます。台湾鉄路の駅からバスで10分ほどの場所にある南方澳漁港は遠洋漁業基地として知られ、周辺のレストランでは新鮮な魚介に舌鼓を打てます。
一言コメント:冷たい水の中に入るというと、プールやサウナの水風呂を連想しますが、少しずつ肌に気泡が付いてくるのはあまり味わえない感覚です。温泉とは違う癒しを味わえます。
(編集:名切千絵、齊藤啓介、田中宏樹)