台湾映画の下半期話題作の一つ、「下半場」が台湾で8月23日に公開された。高校バスケットリーグを題材に、ライバルとして戦うことになる兄弟の成長や兄弟愛を描いたエンターテイメント作品に仕上がっている。 母を早くに亡くし、父親も仕事で各地を転々としている事情によって姜秀宇と桐豪の兄弟は叔父の家に身を寄せ、2人で支え合って生きてきた。そんな2人の生きがいがバスケットボール。息ぴったりのコンビプレーで高校バスケ部の監督の目に留まり、とある出来事によって2人は別々の高校のバスケ部に所属することになる。それぞれの環境で苦しみながら、バスケリーグの大会でライバルとして真っ向勝負することになるーというストーリー。
監督は「光にふれる」(逆光飛翔)や「共犯」などのチャン・ロンジー(張栄吉)。主演のフェンディ・ファン(范少勳)とベルナート・チュウ(朱軒洋)はオーディションで抜擢された。2人とも演技経験は浅く、やや拙い部分は残りながらも、みずみずしく自然体な演技を披露している。チームメート役のキャストも、バスケの素地がある若者を対象とした公募オーディションで選ばれた。兄弟やバスケ部員を支える大人には、ルー・イーチン(陸弈静)やトゥオ・ゾンホア(庹宗華)、ドゥアン・チュンハオ(段鈞豪)ら実力派を起用。作品全体を引き締めている。
ストーリー展開は細かい設定に関してご都合主義的に感じられる部分もあるが、テンポの速さや登場人物の魅力がそれを補う。クライマックスの試合のシーンも臨場感にあふれ、観客を引きつける。
(編集:名切千絵)