(台北中央社)アジア太平洋経済協力会議(APEC)保健・経済ハイレベル会合が15~16日、韓国ソウルで行われた。出席した石崇良(せきすうりょう)衛生福利部長(保健相)らは台湾の医療AI(人工知能)や健康な高齢化、青少年の心の健康などの分野で台湾の経験を紹介した。同部が19日の報道資料で明らかにした。
医療分野でのAIの運用については、台湾が最近開発した「糖尿病発症リスクのAI予測モデル」を例に、国民全体の健康保険データのAI活用を通じて、医師による早期医療介入を手助けしたことなどを説明した。
健康な高齢化では、台湾の高齢者世代に健康で自立した生活を促すため、政府が2023年から26年までの4年間に1200億台湾元(約5879億円)を投入し、超高齢社会に対応するための対策案をまとめたことや台湾の介護制度「長照2.0」のカバー率が85%に達したことなどを取り上げた。
青少年の心の健康面では、心の健康を学ぶプラットフォームを設置し、その年齢に応じた健康教育を推進していることや、15~45歳の国民が年に3回の無料心理カウンセリングを受けられるようにする給付金の支給など政府の施策の重点を解説した。
報道資料によれば、会合では石氏が主な参加国などと2者会談を行い、メンタルヘルスや伝染病の予防・治療、医療テクノロジーの評価、世界の公衆衛生などの課題についても意見交換した。また、その施策の成果を分かち合うため、関連の会議にも招かれたという。