(台北中央社)中国共産党や政府が学生らの民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から36年を迎えた4日、台北市内で複数の民間団体が主催する集会が開かれた。途中で雨も降り出したが、主催者によれば3千人以上が参加して犠牲者を追悼した。
集会は午後7時に開始。会場となった中正記念堂前の「民主大道」では、キャンドルライトをともして事件発生日を表す「8964」がかたどられた。犠牲者の追悼のために制作され、設置されていた香港大学から21年に撤去された「国恥の柱」のレプリカも展示された。
主催団体の一つ、華人民主書院協会の頼栄偉理事長はスピーチで、今この時間に台湾のこの広場に、中国共産党に虐げられた人がいることは、中国共産党の独裁の本質が変わっていないことを証明していると言及。中国が台湾の一部ではないことも証明しているとし、「仮に台湾が中国の一部であるなら、今日なぜここに人々が集まって天安門事件に関心を寄せていられるのか」と語った。
台湾で対中政策を担う大陸委員会の沈有忠(ちんゆうちゅう)副主任委員も出席した。中国共産党について、権力と安定のために学生たちを戦車でひきつぶしたり、機銃掃射したりするのもいとわないと糾弾。こうした政権に対してはいかなる幻想も抱くべきではなく、「妥協によって平和を得られる」との希望的観測をしてはいけないと強調した。
また、近隣の二二八和平公園では、在台香港人による追悼集会が開かれた。
▽大陸委に爆破予告メール
大陸委員会によれば、同日午前、同委に爆破を予告するメールが届いた。同委が入居する台北市内のビルに爆薬を仕込み、天安門事件に関連する活動を開催した場合には爆破させるとの内容だった。
ビル内の調査で爆薬などは見つからなかったという。台北市警が捜査を進めている。また民主大道での集会では警察官20人が警戒に当たった。