(台北中央社)衛生福利部(保健省)食品薬物管理署(食薬署)が11日に公表した輸入食品の水際検査不合格リストに、日本から輸入したカレー粉が含まれた。全量が積み戻しまたは廃棄処分され、台湾市場への流通はないとしている。
不合格となったカレー粉は北部・新北市の輸入業者、太冠国際開発事業が輸入した。エスビー食品が埼玉県の工場で製造したもので、ホスフィン(リン化水素)が0.011ppm検出された。台湾の規定では、カレー粉の原料のうちチンピやローリエなどについてホスフィンは検出されてはならないとされているほか、ターメリックやコリアンダーなどには0.01ppmの基準値が定められている。食薬署は業者から提供された情報を基に、全体のホスフィン含有量を原料ごとに換算した。ホスフィンは食品害虫の殺虫用に燻蒸(くんじょう)剤として用いられるという。
取材に応じた食薬署の林金富副署長は、日本から輸入されるカレー関連の食品は全体的にはリスクが高くなく、通常の抜き取り検査を継続していると説明。一方で、太冠国際開発事業が輸入したカレー粉が不合格となるのは直近半年で2回目で、原因はいずれも残留農薬の基準違反だったため、同社の輸入品に対しては全ロット検査を続けると述べた。
この日は他に、日本産のユズや生のイチゴも残留農薬の基準値超えで不合格となった。日本産のかんきつ類やイチゴはたびたび不合格になっており、林氏は引き続き、かんきつ類は4月10日まで、イチゴは5月末まで検査体制を強化するとした。