(台北中央社)旧正月(春節)で子供たちが最も楽しみにしているものといえば「圧歳銭」(お年玉)。通常、赤い袋や紙に包んで渡され、「紅包」とも呼ばれる。中央大学歴史研究所の皮国立所長によれば、赤色はめでたさの象徴であるだけでなく、厄払いの意味も込められているという。
皮氏はお年玉の由来について、旧正月前に姿を見せるという伝説上の妖怪「祟」の話を紹介する。祟は子供の頭をなでて発熱させる妖怪で、「昔はこれによって死ぬこともあった」と皮氏。子供の平穏を守るため、枕の下に「祟」を鎮めるためのお金を置くようになったという。一説によれば、かつては8枚の銅銭を包むとされており、これは道教の8人の神「八仙」が銅銭に変わったことを意味し、祟を追い払うのを手伝ってもらうとの意図があった。また、祟は銅銭の音を怖がるとも言い伝えられていたという。
赤色の袋を用いることについて皮氏は、魏晋南北朝時代には小豆で邪気払いをする風習があり、妖怪は赤色の天然穀物を怖がると考えられていたと明かす。かつて、邪気払いや魔払いに関連するものには全て赤色が使われていたと説明した。