(台北中央社)与党・民進党主席(党首)を兼務する頼清徳(らいせいとく)総統は13日、台北市内で記者会見を開き、法学者で立法委員(国会議員)の沈伯洋(しんはくよう)氏を台北市長選挙の党公認候補に指名したと発表した。沈氏は犯罪学や公共政策などを専門とする他、民主主義の深化や民間防衛などにも長年にわたり尽力してきた。頼総統は「二つとない人選」と自信を示した。沈氏は、2期目を目指す現職の蒋万安(しょうばんあん)市長(国民党)と戦うことになる。
沈氏は1982年、台北生まれ。大学まで台北で過ごし、米ペンシルベニア大で法学修士、カリフォルニア大学アーバイン校で法律犯罪社会学の博士号を取得した。帰国後の2017年からは台北大学犯罪学研究所(大学院)に勤務し、現在は副教授(准教授)を務める。24年に比例代表で立法委員選に出馬し、初当選した。
また、中国による認知戦や偽情報の脅威を前に、民間防衛について市民に情報を提供する団体「黒熊学院」を立ち上げ、社会の防衛強靭(きょうじん)性強化に尽力してきた他、非営利団体(NPO)「台湾民主実験室」を創設し、民主主義の深化にも力を注いでいる。
頼総統は、沈氏は国際的視野や領域横断型の都市ガバナンス、市民に対する思いやりといった「3次元の統治」能力を兼ね備える人だとし、台北市民に支持を呼びかけた。
沈氏は、都市には「エコシステム」の形成が必要だと強調。台北が抱える課題として、人口流出や通勤時の交通渋滞、衛生環境、食の安全、育児環境などを挙げた上で、課題を解決するには、傷口に絆創膏を貼るような応急処置だけでは不十分だとし、長期的な計画によって「包括的な免疫システム」を備えさせる重要性を訴えた。
台北市長選は11月28日に投開票される統一地方選の一環として行われる。