(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は10日、台北市内で開催されたアジア民主人権賞の授賞式出席前に報道陣の取材に応じ、暴力的、脅迫的な手段で地域の平和と安定を変更する一方的な行為に断固反対するとし、中国に対して大国としての責任を示すべきだと呼びかけた。
▽頼総統、平和促進に「中国にも責任ある」
頼総統は、中国が連日、日本や韓国周辺で軍事的な嫌がらせをし、緊張が高まっていることについて、非常に不適切な行為だと批判した。平和は何物にも代えがたく、戦争に勝者はいないと指摘し、平和は各方面が促進することが必要で、中国にも責任があると語った。
その上で、台湾は現状維持の立場を堅持し、防衛力を向上させ、周辺地域の民主主義国家と共に地域の平和と安定、繁栄、発展を守ると強調した。
授賞式では、世界の民主主義が後退し、地政学的緊張が高まっていることに触れ、中国による台湾や周辺国への複合的な脅迫と攻撃は、地域や世界の平和と安定に影響を及ぼしていると説明。民主主義と自由を守る各国の行動は、一刻の猶予も許されない状況にあるとし、民主主義を強化するにはより強い決意が必要だと述べた。
また地域や国、党派の違いにかかわらず、それぞれが団結して普遍的価値を守り、人としての権利が全ての人に行きわたり、民主主義の光が世界を照らすことを期待すると語った。
▽日本との災害救助連携強化に期待
頼総統は取材対応時、青森県で最大震度6強を観測する地震が起きたことに関し、全国民を代表して、日本へのお見舞いの意を表した。被害が最小限にとどまり、救助や救援作業が円滑に進むことを望むとした。
さらに今後は台日間で災害発生時の災害救助・救援活動に関する連携強化やテクノロジー面での共同研究を進め、災害対応力を高め、国民のさらなる安全を確保したいと述べた。