(台北中央社)政府は国防部(国防省)が9月に公開した新版全民国防ハンドブック「台湾全民安全ガイド」を全戸に配布する。総統諮問機関、国家安全会議の林飛帆(りんひはん)副秘書長が17日、明らかにした。ハンドブックは「備えがあればより安全」の行動理念を広く伝え、社会全体の防衛強靱(きょうじん)性の強化を図る狙いがある。
ハンドブックでは「平時の準備」「危機が到来した時」「国家を守る」の三つの章を設け、物資の備蓄や、自然災害、地震、土石流、戦争などさまざまな状況下での対応についてまとめた。中国語版の他、英語版も制作された。
林氏によれば、ハンドブックは19日ごろから印刷・検収を開始する。その後、村長や里長(町内会長)に協力を要請し、選挙公報を配布する際のような方法で各戸に投函する。来年1月5日までに全980万戸への配布完了を目指す。
林氏は、新版ハンドブックは世界の経験、特に北欧諸国の経験を参考に制作したと説明。また「戦争の脅威に直面しても台湾は決して投降しない」との立場を初めて明確に社会全体に宣言したとし、人々に対し、この信念を持つべきであり、敵は偽情報によって社会を混乱させ、国民の信頼を崩壊させる可能性があるということを知ってもらうのが狙いだと述べた。
約1100万冊印刷する予定。英語版については、外交部(外務省)が各国の駐台機関に連絡し、在台外国人に配布する。その他の言語についても順次協議し、推進していく方針を示した。外交部によると、駐台機関や在台外国人への外国語版の配布は12月19日から開始する。
林氏は、ハンドブックの全戸配布は台湾だけで行われているものではないと強調。スウェーデンやフィンランドも防衛ハンドブックを配布している他、チェコやフランスも全国民への「生存ガイド」の配布を予定していると紹介した。