(花蓮中央社)13日午後1時ごろ、東部・花蓮県の馬太鞍渓のせき止め湖から水があふれ出した。せき止め湖は同日に形成が確認されていた。下流域にある万栄郷明利村に水が流れ込み、家屋が浸水するなどの被害が出ている。
馬太鞍渓では7月にもせき止め湖が形成され、9月下旬に水があふれ出した際には下流域に大規模な洪水被害をもたらした。10月21日にも別のせき止め湖の形成が確認されており、今回あふれ出したせき止め湖は、既存の二つのせき止め湖の中間地点に当たる。
水のあふれ出しは当初、午後4時ごろを想定していた。農業部(農業省)林業・自然保育署花蓮分署の黄群策分署長は、水をせき止める堤体(天然ダム)が不安定だったことが、あふれ出しが早まった原因だとの見方を示した。
台風の周辺の湿った空気や北東の季節風の影響による大雨で馬太鞍溪の水位が上昇した関係で、明利村では10日にも浸水が起きていた。水が流入した箇所をふさぐ作業が13日未明に終わったばかりだった。
住民は、ようやく姿を見せた自宅が再び水に漬かる様子を見て、やるせない思いだと語った。このところせき止め湖のことで心が落ち着かず、何日も避難させられて限界だと話す人もいた。
