(台北中央社)高市早苗首相の「台湾有事」を巡る発言に中国が反発を強める中、総統府の郭雅慧(かくがけい)報道官は15日、中国側の一連の反応について「政治目的に基づいた複合的な威嚇でありインド太平洋地域の安全保障や安定に重大な脅威をもたらしている」と批判した。
その上で中国に対し、国際社会のトラブルメーカーではなく責任ある大国として不適当で一方的な行為を直ちにやめるよう訴えた。
日本との関係については、民主主義の価値観や貿易発展、繁栄を共有し国民同士が友好的であることに言及。台湾は北京当局の動きを注視しつつ、インド太平洋地域の安定の維持に向け日本を含む地域の各国と緊密に協力していくとした。
高市首相に発言の撤回を求めている中国。中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が8日に「汚い首は斬ってやる」などとSNSに投稿すると、中国外交部(外務省)は13日、日本の駐中国大使を呼び出し強く抗議、14日夜には国民に日本への渡航自粛を呼びかけた。
薛氏の言動を巡って総統府は10日に「明らかに外交マナーを逸脱している」と批判し、外交部も同日「覇権主義的態度をより一層浮き彫りにした」と非難した。