(東京中央社)台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は8日、東京都内のホテルで中華民国国慶日(10日、国家の日)を祝う式典を開いた。李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)はあいさつで、台湾は半導体やAI(人工知能)の優位性を生かして世界のサプライチェーン(供給網)の強靭(きょうじん)化に貢献できるとし、世界の民主主義国家と共同で台湾海峡と地域の平和と繁栄を守り続けると決意を示した。
安倍晋三元首相の妻の昭恵さんや日本の対台湾窓口機関「日本台湾交流協会」隅修三会長、超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の古屋圭司会長をはじめとする衆参両院議員193人が出席した。中華民国(台湾)と国交を持つパラグアイやマーシャル諸島、グアテマラ、バチカン市国の他、台湾と理念の近い国々の政府関係者らなども来場した。
李代表は、2021年の日米首脳会談で台湾海峡の平和と安定の重要性がアピールされて以降、重要な国際会議の共同声明では国際社会の安定に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定維持の重要性が繰り返し強調されていると紹介。また米国などの民主主義国家は軍艦に台湾海峡を通過させるなど実際の行動で台湾への支持を示し、中国による一方的な封鎖と武力行使を容認しない姿勢を示しているとし、感謝の意を表した。
隅会長は、日本では間もなく新内閣が発足する予定だとしつつ、「日台友好関係を重視する日本政府の姿勢は今後とも変わることはない」と強調。「日本と台湾の『互いに敬意を持って接する関係』は基本的価値を抱く世界に向けた貴重なメッセージになっている」と語った。
古屋会長は、9日から日華懇のメンバーを率いて訪台し、台北で行われる祝賀式典へ出席する他、頼清徳(らいせいとく)総統らと懇談する予定を明かした上で、日本と台湾は信頼と絆で結ばれている関係同士だと友好関係を強調した。
昭恵さんは、安倍元首相が生前、「台湾有事は日本有事」、「日本と台湾は一心同体」などと語っていたことに触れ、「台湾と日本のために力を尽くしてまいりたい」と述べた。